骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

骨コラム(H30.5.24~10.4)

骨粗鬆症について(吉田院長 H30.5.24)

 

皆様の体の柱となっている骨格の障害の改善を中心として、少しでも健やかな毎日を送られている事を心より祈り続け、外来に来てくれる人々の“調子イイヨ”の声を聞ける事を開業してこの10年間の何よりの喜びとしてきました。
また、30年程前臨床研究を始めてから、自分自身の知識・技術の向上と、それを患者さんへお返しする事に全力で努めてまいったつもりです。
医薬品メーカーも甚大な労力をかけより優れた薬を開発しているのですが、大企業ですら大きな時代の波の中で苦しんでいるように見られます。
効果の優れた高価な薬は本当に必要とする患者さんの所へは届きにくい…
例をあげれば近年は遺伝子操作を加えた製剤が多く病気に使われています。
この動きは骨粗鬆症の治療にも拡がりを見せています。
しかし、これまた優れた効果の反面、値段も高く今の日本の助成金制度の中では皆様の手元に届くのは難しい場合も多く経験しました。
この様な内容になってしまいましたが、決して希望は捨てず、今後の日本の若い研究者にも夢を託したいと願っています。
さらに現在の骨粗鬆症治療は内科、外科の先生方にも拡がり、患者さんにとって大きな福音となっていると考えられます。
しかし、一方で正しい診断、知識、薬剤の特徴、作用(副作用)等を勉強せずに処方されたためのトラブルが激増していることもまた事実です。
歯科の先生方を巻き込んで生じている問題も多くの解答が出されています。
治療法の誤りは皆様にとって“害”となります。
ぜひ正しい知識を持った医師のいる病院で治療を受けることを御勧めします。

 

 

 

松前町とのお付き合いについて(吉田院長 H30.6.28)

 

皆様、一日の寒暖差が大きい日々が続いており体調を崩されている方も多いのではないでしょうか。
くれぐれも自己管理には気を付けて下さい。
私は道北(旭川)の出身で、20代後半まで道南地方とは全く縁がありませんでした。
それがこの松前町と深いお付き合いをさせていただき、あっという間に約30年が過ぎました。
最初は仕事で函館から松前に出張させていただいていたのですが、その後、約10年間は固定医として松前町立病院へ勤務させていただきました。
当時はあらゆる面で実力を持った先生が各科におられ、町立病院で出来ること(手術治療を含め)は、皆様のために全力で手掛ける様に心がけていました。
ある意味良き時代だったと考えております。

 

仕事の話はさておいて、私が約30年前に魅せられた松前町の自然が今では信じられない程に衰退してしまっているのが大変残念です。
かつては海には、ソイ、タラ、ホッケ、ヒラメ、マグロが溢れ、山の春はウド、タケノコ、秋はボリボリ、川にはヤマベ、イワナがたくさんいました。
30代だった私は多くの松前町の方々の助けを借りて、この大自然の中で夢の様な体験をさせてもらいました。 生涯の思い出を本当にありがとうございました。
この様な経緯もあって、10年前皆様への恩返しのつもりでここへクリニックを建てました。
寒い2月15日のことでした。
そして10年後カルテのIDナンバーは“7000”を超え、私の勝手な判断ですが少しでも皆様に恩返しが出来ていれば幸いと願っております。
これまた松前町の大自然が見守ってくれたからだと思っています。

 

最後に、皆様がいつまでも健康であります様に御祈り申し上げます。

 

 

 

松前町での運動療法について(理学療法士 一戸 H30.8.3)

 

今回、骨コラムを担当する理学療法士の一戸です。
よろしくお願いします。
松前町のよしだ整形外科で勤務し11年目となりました。
以前は函館や横浜など海のイメージのある街で勤務していたのですが、実際は海から遠い地域の病院で漁師さんを担当することはありませんでした。
松前町にきて、多数の漁師さんを担当して、その仕事独特の身体の特徴があることに気づかされました。
体型が大きいというより“厚い”という言葉がぴったりときます。
体幹部や上下肢だけでなく手足の甲部分まで厚く、筋量が多いと感じられます。
不安定な船上での作業によるものか、他の職種よりも機械化がされていない部分が多いのか、原因は特定できませんが、特異的な負荷が継続的にかかることによって、特徴的な身体になると考えています。

 

このような舟上での作業に特化した身体を有する漁師さんでも、頸部の痛みを訴えて来院し、私が担当した方が数多くいらっしゃいます。
その多くは採り物(うに、あわび、昆布など)をすると痛くなるという方です。
この漁法は舟から身をのりだす姿勢で、大きく重い水中眼鏡?を使用します。
不安定な舟上で不安定な姿勢で頸部に大きな負荷を与えるこの漁法は私が学んできた運動学での正しい身体の使い方とは全く異なります。
本来の運動療法としては、頸部の痛みを軽減させてから再発しないように正しい身体の使い方を指導するのですが、この漁法に関しては決められた時間内で数多く採るということが大原則のため、頸部の負荷を軽減させる運動学的に正しい身体の使い方が解明できず、動作方法を指導できていないのが現状です。

 

この頸部痛は一例ですが、地域によって様々な特徴的な症状があり、解決困難な場合がありますが、地域医療にかかわる者として、これからも諦めることなく取り組んでいきたいと思っています。

 

 

 

震災に向けての号外(吉田院長 H30.9.13)

 

皆様、先日の震災ではそれぞれに大変辛い思いをされたことでしょう。
私も非常用のカセットコンロ、電池、他の買出しに走り回り、暗闇の中、当たり前にあった今までの日常の有難みを痛感いたしました。
幸い、直接的な人的被害は周辺の皆様には無かったようですが、特にここ海の街の夏場の停電の痛手は計り知れないものがあるとお察しします。
近年、日本だけではなく世界中で大災害が立て続けに起きており、まさに世紀末の様相に見えます。
そんな中、特に一人暮らしの御年寄りの方々は大変な不安をかかえていらっしゃる事と思います。
一昔前の自然災害は自分とは無関係の遠い世界の出来事で、我が身に振りかかるシナリオを描いた人は“専門家”と称している人々を含めて皆無と思います。
今まで我々人類が自分達のごく身勝手な都合で破壊し尽くして来た自然の復讐が始まったように思えるのは私だけでしょうか?
今日までの本来は満ち足りていて幸福であった生活を、私自身も含めてどうしても実感出来ず、不満の方が膨らんでしまう人間の悲しさをつくづくと感じます。
健康で、周囲から必要とされ、それぞれの人生の役割を果たし“生き抜く”事が出来ますように… 。
この病院が皆様の健康を保つ手助けに少しでも役立てばと願うばかりです。

 

以上、大震災に向けての号外でした。
H30.9.13 吉田 顕

 

 

 

震災時の理学療法について(理学療法士 一戸 H30.10.4)

 

先月におこった北海道胆振東部地震で被災された方々は未だに大変な思いをしておられることと思います。
震災時には緊急医療チームボランティアなどの活動がありますが、医師や看護師などの職種と比べて理学療法士には派遣される必然性が実際にはあまりありません。
理学療法士の知識や技術は緊急時に強く必要とされるものはなく、実際に被災地に行ってもエコノミー症候群の予防のような二次的疾患予防がメインとなります。
このエコノミー症候群の予防に関してもマニュアル化されており、理学療法士の専門性を強く必要とされているとまではいえない内容です。
この行為自体が無意味なことであるとは、思いませんが他の医療職と比較して無力感をどうしても感じてしまいます。
この感情は東日本大震災時にも強く感じており、今回の震災でも同じ感情になってしまいました。

 

以前、私は急性期の脳外科に勤務していたことがありICUで活動してことがあるのですが、運動療法中に患者さんに急変があるとすぐに看護師さんに声をかけて対応してもらうことが多々ありました。
職種の違いといえばそれまでなのですが、緊急時に対応できずに必要とされない医療職とはなんと無力な存在なのだろうか、理学療法士は本当に医療職と胸を張って言えるのかと感じていました。
おそらくそのころの情けない感覚が震災報道などで思い出してしまうのでしょう。

 

劣等感ばかり感じていても無意味なので、今は緊急時ではなく日常生活のなかに理学療法士の役割であると考えるようにしています。
生死をわけるような場面ではなく、身体能力低下による日常の小さな不便の解決にこそ理学療法士の存在意義があると考えて今は活動しています。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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