骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

ホーム > 骨粗鬆症について > 骨コラム(H29.7.11~12.5)

骨粗鬆症について

骨コラム(H29.7.11~12.5)

物理療法について(理学療法士 一戸 H29.7.11)

 

こんにちは、今回コラムを担当する理学療法士の一戸です。
私たち理学療法士は一般的には『リハビリ』を担当する仕事と思われていると思いますが、実際には、理学療法という知識や技術を活用できる『リハビリの一分野』のみを担当している仕事です。

 

では、理学療法とは?
理学療法は身体的治療の技術および科学であり、運動療法、教育指導、温熱、寒冷、光線、水、マッサージおよび電気を治療手段とする。
治療目的のなかに、痛みの緩和、循環の増加、障害の予防と改善、力、可動域および協調性の最大回復がある。 (理学療法の定義 WCPT 1982)

 

難しい文章ですが、ごく簡単に説明すると理学療法は理学療法士自身が運動を指導したり、直接患者さんの身体に触れ動かす運動療法と医療器材を使用して温めたり、電気をかけたりする物理療法に分かれます。
今回はその物理療法について説明していきたいと思います。

 

物理療法は電気や光、力などの物理的エネルギーを利用して治療を行うもので、疼痛緩和や血流改善、創傷治癒促進等の効果があり、副作用が少ないという特徴と有します。

 

当院では、吉田院長の処方の下で下記のような機材を使用しています。
・電気療法
 電流療法:干渉電流型低周波治療器
・力学的治療法
 牽引療法:能動型自動間欠引装置(頸部、腰部用)
 マッサージ療法:ウォーターベット型マッサージ器
・温熱療法
 伝導型療法:乾式ホットパック装置
・水治療法
 温熱療法:渦流浴装置(上肢用)

 

※今月末にはウォーターベット型マッサージ器の新型が導入される予定となっております。

 

様々な機材がありますので、これからの地域のみなさまのために活用していきたいと考えております。

 

 

 

地域医療に関して(吉田院長 H29.8.24)

 

皆様こんにちは、当院での治療によってより健やかですごされている事を御祈りしています。
松前周辺の皆様との触れ合いも早いもので30年近くになると思います。有難い事に親しくしてくださる方々も沢山いらっしゃいます。
私は、札幌、旭川、函館を中心とする街での医療を続けてまいりましたが、正直なところこの地域での医療は別の意味を含めた難しい面を感じてやってまいりました。
まず、感じたのは良い情報も悪い情報も、さらに大切な個人に関する情報もすぐに拡まってしまい、これがある種の誤解につながってしまう事も多くきわめて注意をしています。
さらに、本来中心となるべき公立病院が果たしている機能は… いかがでしょうか?
私自身も整形外科一筋で長年医療をやってきて幅広い対応に限界があり、加えて一人でやっているので(言い訳にしたくはありませんが)皆様の充分な期待に答えられない力不足も、本当に残念ですが多いのが現状です。
人間は多くの病を合わせて持っている事を、今更の様ですが知らされているにつけ、私なりにさらなる勉強の日々を重ねております。
加えて厳しい意見を言わせていただければ、行政を中心として多くの点であと一歩協力する体制を整備する努力をおこたっている事が、皆様の医療に対する不安の大きな要因となっているように思われます。
他の多くの地域同様、この街を愛し健康に不安をかかえながらもあえて一人暮らしをしている方も多くいらっしゃいます。これらの多くの声に答えるべく、大改革が必要と考えます。
しつこいようですが、最も大切なことは、行政側が各病院に格差をつけない事だと思います。この点を切に願って今回は筆をおきます。
繰り返しになりますが、皆様が心身供に健やかであり続ける事が私の喜びである事を御伝えいたします。

 

 

 

松前町でのリハビリについて(理学療法士 一戸 H29.9.13)

 

こんにちは、理学療法士の一戸です。
私も松前町に勤務して10年目となり、様々な方々と接してきました。
そこで今回は松前町で働くなかで感じたことを述べていきたいと思います。

 

前職場は函館市内の病院でしたが、函館は函館市民だけでなく道南各地域の方々が集まっていらっしゃるので地域色は薄まっているためか、あまり地域的特性を意識することはありませんでした。
松前町で勤務することになり、函館と同じように失礼のない少しはなれた無難な距離感で接していると、思うように患者さんに受け入れてもらえず、本当に困っていることを打ち明けてもらえないなどの弊害が生じてしまいました。
松前町で働くうえで、この距離感というものを意識せざるおえなくなり、松前町出身の地元病院スタッフを見て、私よりも適切な接遇をしていると思うことが多々あり、以前よりも若干距離感をつめて接するようにしました。
しかし、ここで難しいのは安易に距離感を縮めることがいつも正解という訳ではないことです。近づきすぎると失礼に感じる方もいますし、症候に対する注意や指導などを受け入れてもらえなくなります。

 

近すぎることによる弊害は家族間が代表例ではないでしょうか?
私は理学療法士として経験をつみ、しっかりとした意見をいえるようになっていると自分では思っていますが、私の両親が最も健康に対する私のアドバイスを受け入れてくれません。テレビや近所の方の意見の方がなぜか、私の意見よりも上位になっています。
理論的には不思議なことですが、距離感が近すぎることによる弊害だと思っています。
残念な話しですが、このような例はたくさんあり『医療業界あるある』と言ってもいいと思います。

 

現状で、患者さんと適切な距離感で接することができているかどうかはいまだに疑問ですが、10年間勤務することによって、松前町を知ることができたので、以前よりは適切な対応ができるようになっていると思っています。
ある程度の地域的特性はありますが、個人により好ましい距離感は様々です。
絶対的な正解の存在しない難しい問題ですが、松前町という地域でリハビリという分野で働いている以上は、これからも適切な距離感をみつけて対応していきたいと考えています。

 

 

 

骨粗鬆症に関して(吉田院長 H29.10.17)

 

例年に無く寒暖の差が大きく、体調を崩されている方も多いと思います。
何なりと相談ください。
老後を楽しく生きるのは、心と身体の健康のバランスを保つことが大切と考えます。
中でも体の柱となる骨・関節・筋肉の大切さは皆様にも定着しつつあると感じております。
確かに現在より高い骨折予防率を目指し、治療薬の開発は進んでおり、20年前の1日/1回内服から、1回/1年の点滴へ格別の機序で骨を作る製剤も販売され活況を呈しています。
骨粗鬆症治療も重症になってくると著しく骨がもろくなってしまい骨折します。
こうなってしまった場合のつらさと、入院、手術に要する費用は莫大となります。
さらに怖いのは折れてしまってからでは、現状復帰はまず望めないという事実です。

 

確かに新しい治療は6ヵ月ないし1年に1回と1回の投与量が多い事から、ある種の副作用の問題が各方面で大きく取り上げられています。
しかし、近年米国骨代謝学会は、骨粗鬆症の治療.を、副作用を恐れ止めてしまった場合の危険性を、交通事故におけるシートベルト使用に例えて、明確にしています。
今回はこれを引用させていただき皆様に御提案したいと思います。
くれぐれも将来のために骨を大切にして下さい。

 

米国では毎年約230万人の成人が交通事故により救急救命室へ搬送され、約200万人が骨粗鬆症で骨折する。
シートベルト損傷が生じるリスクや骨粗鬆症治療時に重大な副作用が発生するリスクは、ベネフィットに比べて非常に少ない。
(複数の情報源からのデータ)

 

交通事故
シートベルトを装着すれば、衝突時の重大な傷害や死亡のリスクは約50%減少する。
※シートベルト損傷が生じるリスクはごく少ない

 

骨粗鬆症
ビスホスホネート製剤による治療を受ければ、脆弱性骨折のリスクが約50%減少する。
※顎骨壊死や非定型大腿骨骨折が発生するリスクはごく少ない。

 

 

 

寝具に関して(理学療法士 一戸 H29.11.6)

 

今月の骨コラムを担当する理学療法士の一戸です。
よろしくお願いいたします。
今月は私が患者さんから質問されることの多い寝具(枕やベット)について考えていきたいと思います。

 

一番多くたずねられることは、枕の高さについてです。
『高い枕がいいの?』『低い枕がいいの?』と二択でたずねられることが多いのですが、その人の体の形状によって当然異なるので、一概にどちらがいいとはいえないのですが、傾向として寝るときの姿勢が仰向けの方は低めの枕、横向きで寝る方は高めの枕を使う方が良いと説明させていただいています。
仰向けの場合、枕が高すぎると頭部が前方に位置してしまい頸部にストレスがかかります。
横向きの場合は肩幅分の高さががあるので、逆に低すぎる枕を使用するとので、頭部が下方に引っ張られるために頸部にストレスがかかります。
このため一般的には、仰向けでは低め、横向きでは高めの枕の方が良いと考えられます。

 

しかし、睡眠では必ず寝返りが生じます。
枕を調整すると、寝つきやすくなるという部分では効果が発揮される可能性は高いのですが、寝返ることによってポジションが変わってしまい合わなくなる部分が生じることが、難しい問題となっています。

 

次に多く質問されることが、低反発マットレスについてです。
低反発マットレスにおける誤解の多くはテレビなどの広告によるものが大きいと考えられます。
あれでは、マットレスのみで問題が解決するような誤解を与えてしまいます。寝るときには多くの方は必ず枕を使用するのに枕については、ほとんど触れられていません。
合わない枕を使用していれば、脊柱の形状も広告で説明されているような状態にはなりません。
かえって、肩こりや腰痛を悪化させる可能性も充分に考えられます。

 

睡眠は寝具を総合的に考えて対処することが最善であると考えています。
現実的な対応策としては費用対効果を考え、枕から合わせていく方法をお薦めします。
まずは、自らの寝つく時の姿勢を考えて枕を選択してみてください。

 

理学療法士として仕事をしてきたなかで、患者さんから様々なお話を聞いてわかったことの一つに流行の健康器具や健康食品などを継続して使用し続けている方は、ほとんどいないということです。
結局、主観的な満足感を持続できるものは無いということが現実なのでしょう。
そのように考えると寝具においても費用対効果を考えてみることも重要となるのはないでしょうか。

 

 

 

雪かきについて(理学療法士 一戸 H29.12.5)

 

こんにちは、先月に続き骨コラムを担当する理学療法士の一戸です。
よろしくお願いします。
今年は道南地方でも例年より早く積雪があり、当院でも雪かきの話題がでてくるようになりました。
そこで今回は、雪かきの注意点について考えていきたいと思っています。
皆さんも雪かきは重労働であり腰に悪いということは体験的に感じていると思います。

 

雪かきが腰に負担をかけやすい原因はいろいろ考えられます。
その中でも代表的な原因としては『早朝の作業』『寒い中での作業』『中腰での重労働』などがあげられます。

 

これらが体に対してどのような影響を与えているのかを考えてみます。
①早朝の作業
朝起きてすぐは体が充分に覚醒していないため、全身の筋力が発揮されにくい ⇒ 筋力低下が生じる。
②寒い中での作業
寒さから身を守るための反応として体をすくめて体表面積を減少させるため、筋が始めから過剰に収縮しており筋力が充分に発揮できない ⇒ 筋力低下が生じる。

 

※スポーツの大会において、陸上や水泳などのタイムを争う競技では、決勝を午前中ではなく午後から行うようにしているのは①、②の原因によりパフォーマンスの低下を防ぐためになっています。

 

③中腰での作業
骨盤が後方に引け、腰椎前彎が減少しフラットになるためストレスが直接腰椎にかかりやすくなってしまう。

 

これらに対する具体的な対策としては
①朝、起きてすぐに雪かきを行わない。朝食や洗顔など通常の朝に行う行為を行ったあとで体が少しでも覚醒した状態で行うようにする。
②充分な防寒はもちろんのこと、低負荷の体操を行って筋温を高めてから雪かきを行うようにする。
③腰を曲げて前傾姿勢になるのではなく、膝を曲げて作業を行うようにすると腰椎前彎が保たれるため、腰椎への過度のストレスは生じなくなる。

 

現実的には①~③の対策を完璧に行って、雪かきを行うことは難しいと思います。
しかし、これらのことを知っていることによる予防効果もあると考えられます。
このような点について少しでも留意していただければ、幸いと思います。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


大きな地図で見る


函館・松前の整形外科病院なら
よしだ整形外科

〒049-1501
北海道松前郡松前町建石49-54

TEL.0139-42-5770
FAX.0139-42-5771

ページ上部へ