骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

骨コラム(H27.6~H27.10)

送迎バスについて②(送迎バス運転士 安藤 H27.6.9)

 

こんにちは、よしだ整形外科 送迎運転士の安藤公介です。
当院開設当初より安全運転を第一にバスの運転を担当させていただいております。今回は送迎バスについてコラムに掲載する機会を頂いたので、当院送迎バスの特色を述べていきたいと思います。
前回の吉田院長のコラムにあるように、当院では、単なる『人さらいバス』ではなく皆様に少しでも便利に通院していただける足として利用していただけることを目標として、開業当初より取り組んできました。
当初より『家の前から乗れて、家の前で降りられる送迎バス』が吉田院長の理想であり、それに近づけるべく
・乗車場所を国道沿いだけでなく細かく設定する。
・病院からの送りはできるかぎり自宅前へお送りする。
・個人の状況に合わせて送迎を工夫する。
などの取り組みをしてきました。

 

また、どのような方にでも気楽に利用していただけるように
・年齢制限なく利用可能。
・付き添いの方も一緒に乗車可能。
・バスの乗り降りが不安な方には、私が介助しております。
など、このように日々取り組んでおります。

これからも安全かつ安心して通院していただけるようにつとめてまいりますので、是非ともよしだ整形外科の送迎バスをご利用ください。

※送迎バスの詳細につきましては、ホームページ内の送迎バス欄に掲載しております。興味のある方は是非、御一覧ください。

 

 

 

健康寿命(吉田院長 H27.7.7)


初夏というのに朝・夕は肌寒い日々もあり、皆様くれぐれも御慈愛下さい。
世の中では単に生き長らえているという“寿命”に変わり“健康寿命”という言葉が注目されています。しかし、その人が本当に健康かどうかを明らかにする事はきわめて難しいと思います。他人から見て健康そうに見えていても例えば“心”を含めて悩みをかかえているといった人も多いでしょう。こう考えると複雑になりすぎるので、ここでは私の専門の骨格の健康を中心に話を限ってみます。
日本の現在そして近未来ではある程度高齢となって色々と不自由な事が増えても、自分で身の回りのことはしなければならない国になってしまいました。しかも残念ながらこの傾向はどんどん加速されています。この様な中で我々(整形外科医)は皆様の運動機能を健やかに保つという重大な領域を担い治療・研究を重ねており、日々身が引き締まる思いでおります。最も愚かなのは、『トシ』だから仕方ない⇒『アキラ』めろ⇒結果として二度と自立することが不可能になるという連鎖を作り上げる医療です。全国で、又、大変残念な事に近隣の医療機関でこの様な誤ちが繰り返されている現状を見る、聞くにつけ怒りを感じます。
 我々のクリニックは本当に微力ではありますが、皆様の運動器に関する本当の健康寿命の推進に職員一同懸命に取り組んでおります。

 

 

 

ロコモティブシンドロームについて(吉田院長 H27.8.10)

 

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、「運動器の障害により、要介護状態となるおそれがある、または、要介護となった状態」と定義され、国、マスコミを含めて急遽に取りくみが進んであり、御存知の方も多いかと思います。迫る超高齢化社会での自立に向け、御自身の運動器の衰えを早期に発見し、さらに健康を維持するための運動(治療も含めて)が急速に進められています。
先駆者である国立リハビリテーションセンターの中村耕三先生の論文から引用させていただくと、後述の如く、骨・関節・筋肉の衰えを主因として、起立・歩行の障害が進んでいく事がわかります。ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、「運動器の障害により、要介護状態となるおそれがある、または、要介護となった状態」と定義され、国、マスコミを含めて急遽に取りくみが進んであり、御存知の方も多いかと思います。迫る超高齢化社会での自立に向け、御自身の運動器の衰えを早期に発見し、さらに健康を維持するための運動(治療も含めて)が急速に進められています。
先駆者である国立リハビリテーションセンターの中村耕三先生の論文から引用させていただくと、後述の如く、骨・関節・筋肉の衰えを主因として、起立・歩行の障害が進んでいく事がわかります。
微力ではありますが、当院でもリハビリスタッフを中心として、地域の皆様の特に運動器の健康を保つため真剣に取り組みを進めております。少しでも御役に立てば『幸い』と存じます。

 

 

 

ロコモティブシンドロームについて②(理学療法士 一戸 H27.9.4)

 

今回、ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)についてという内容で骨コラムを担当することになった理学療法士の一戸です。
前回、吉田院長よりロコモの概念について説明がありましたので、今回はロコモの重症度判断基準として用いられる『歩行』についてポイントを絞って話を進めていきたいと考えています。
 一般的に歩くことについて考える機会はほとんどないと思いますが、歩行は動作の中で高度な行為に分類される難しい動作になります。
歩行に関しては、安定している歩行という表現を使いますが、これはあくまでも比喩表現であり、実際の歩行は重心が前後左右に素早く移動し続ける非常な『不安定』な動作です。この不安定な状態であるからこそ、スムーズに移動可能となるのです。
患者さんから「歩いてしまえば大丈夫だけど歩き出しが大変」という話を聞くことが頻繁にあります。これは、立位という静的な安定している姿勢を崩して歩行という動的不安定な動作に移行することが難しいことを表しています。
立っていることと歩くことは根本的に動作の質が異なっているのです。静→動への動作の変化が難しく、歩いてしまえば動的不安定な状態を維持しながら歩き続けることは比較的容易なのです。

歩き出しに必要な練習としては、立位を不安定にすることのできる立位バランス能力が重要となります。その方法の一つとしてロコモトレーニングで重要視されている片脚立ちの練習があります。この片脚立ちという動作は練習効果が高いのですが、動作としては難しい分類のため容易にできない方もいらっしゃると思います。
そこでもっと簡単な練習として『軽い足踏み』でもいいですし、『踵を軽く浮かせる程度のつま先立ち』でもいいです。これも難しいという方は立っている状態で体をゆらゆらとゆらすだけでも立位バランスの練習となり得ます。
実際の歩行では、床と足尖の間は1cmもなく床とスレスレで足は振り出されていきます。足を高く上げる力がなくとも十分に歩くことは可能なのです。(ただし、階段昇降などの難しい動作では片脚立ちの能力の影響は大きくなります。)
このように歩行という動作は効率がよくあまり大きな筋力は必要とされないようになっています。このため高齢になり筋力が低下しても歩くことは十分に可能となります。

しかし、この効率の良い歩行は骨粗鬆症となり椎体の脆弱化が進行し、背中が大きく曲がってしまうと歩行の質が大きく低下してしまいます。
背中が曲がると頭を前方へ突き出す形となり重心が前方移動してしまい、立位が保てなくなります。そこで人間は無意識レベルでバランスをとるために膝を曲げて臀部を後方に下げることにより前後のバランスをとり立位を保つようになっています。
この場合、立位は安定するのですが、身長が低くなってしまい重心位置が下がるため“過剰”に立位が安定してしまいます。
この様な状態になってしまうといくら運動を行っても改善できる限界レベルが低下してしまいます。
高い歩行機能を維持するためには“身体の形態変化”を最小限にとどめる事が必須なのです。

運動を有効に作用させ歩行能力を維持していくためにも骨粗鬆症の予防が重要です。
ロコモ予防のためにも運動だけでなく、骨粗鬆症の早めの検査、加療が重要であると考えています。

 

 

 

変形性膝関節症について(吉田院長 H27.10.16)

 

 秋も深まり北の方では雪の便りも聞こえ初めましたが、皆様が少しでもより健康に過されます様御祈り申し上げます。
今日はこれもまた多くの方々が苦しんでいらっしゃる、この病気を少々解説いたします。

主な症状は膝の痛みと水がたまることです。症状が進むと、膝の動きは制限され、膝が完全に伸びなくかつ曲がらなくなります。
原因は関節軟骨の老化、外傷、肥満、素因(遺伝子)などが考えられます。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使いすぎにより磨り減り、関節のO脚変形が進行します。

初期は立ち上がり、歩きはじめに膝が痛む(休むと痛みはとれる)程度ですが、中期では歩くと膝が痛み、正座、階段の昇降が困難(動作が不自由)となってきます。末期になると変形が目立ち、膝がピンと伸びず、歩行も困難(日常生活が不自由)となってしまう方々も多くいらっしゃいます。

 

【診断】
問診や診察、特に触診で膝関節内側の圧痛、動きの制限、腫れ、変形、関節の不安定性などを調べX線(レントゲン)撮影をして診断します。必要によりMRIなどの検査もします。
炎症所見が強く、関節穿刺で関節液が濁っているときは偽通風や関節リウマチ、化膿性関節炎などの合併を確認するために血液検査をすることもあります。
ここで注意することは、よく“水を抜くと癖になるからやめたほうが良い”という誤った迷信です。
炎症が起きた関節に水が溜まるのは、関節液の分泌と吸収のバランスが崩れ、分泌過多にかたよったからであり、膝に炎症があると水を抜いてもまた溜まりますが、治療の一つとして水を抜くことは必要なことです。

 

【予防と治療】
日常生活の注意点(予防)
・ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を強化する。
・肥満であれば減量する。
・正座をさける。
・膝を冷やさない。クーラーなどに注意する。
・洋式トイレを使用する。
・急に痛むときは冷やすが、慢性化したら温めて血行を良くする。

治療
①薬物療法:外用薬(湿布や軟膏)、内服薬(消炎鎮痛薬)、関節内注射(ヒアルロン酸など)
②理学療法:大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練、装具療法、温熱療法など
③(それでも治らない場合)手術:関節鏡手術、高位脛骨骨切り術、人口関節置換術などがあります。

膝関節に不安をかかえていらっしゃる方は、ぜひ当科へ御相談下さい。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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