骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

骨コラム(H27.1~H27.5)

新年の御挨拶 (H27.1.5)

 

まずは皆様に新年のお祝いと御挨拶を申し上げます。
近年日本人の暮らしは、自然の天変地異と同調(?) してしまったかのように激変し、私自身も信念を如何に保ち続けるか苦悩の日々を送っています。
医療界では、御高齢になって多くの不自由をかかえた方々に差し伸べられる手は、近親の方を含めても減る一方です。加えて高齢の患者さんは、衰えても人間として残っている少しの可能性すら殺してしまう様なきわめて劣悪な医療が周辺で行われている事を見るにつけ、やり切れない思いが込み上げます。
私達が小さなクリニックとして皆様にどれだけの安心していただける医療を提供出来るか、限界は確かに有ると思います。しかし、我々職員一同は医療を通じて、一人一人の皆様に笑顔が見られますよう努力を続けてまいりました。この北海道の田舎こそ私達のクリニックの存在意義が大きいのだと信じつつ、皆様とともに悩み解決策を考えて行きましょう。
新しい年に皆様が健やかに過ごせます様
御祈りいたします。

 

 

 

冬期の転倒予防について (H27.1.31)

 

こんにちは、今回「冬期の転倒予防」という内容でコラムを担当することになった理学療法士の一戸です。当院でも冬期になると路面の凍結により転倒して、腰部や手首にケガをしてしまう方が増加します。
 凍結路面での転倒しにくい歩き方ですが、基本的に重心移動を少なくすることが重要となります。具体的には、歩幅は狭く、歩隔は少し広めにとり、前方に振り出した足は踵から接地するのではなく、足底全面で接地していきます。この歩き方は特別なものではなく、雪国で長く生活している方は、無意識に行っているものであり、細かく説明してもあまり参考にはならないと思います。
 そこで今回は、歩き方ではなく、外で歩くために必要な『靴』について私が気になっていることを話していきたいと思います。当院にいらっしゃる方々の話を聞いていると、みなさん『すべらない靴』を一生懸命に探しており、靴底にあるゴムの形状やスパイクの有無などに対して意識が向いています。本来、靴は歩くための機能が高いものに滑りづらい靴底がセットになって始めて効果を発揮するのですが、靴自体に対する意識が相対的に低い印象を受けています。靴としての機能とは、簡単に言うと足の動きとしっかり連動して地面に力を伝えられることです。踵が固定されていないサンダルやスリッパなどは踵が浮き上がり、力がしっかりと地面に伝えられません。また、一般的な形状の靴でも靴紐やマジックテープを緩めすぎると足の甲の固定が不十分となり靴の中で動いてしまい十分な機能を発揮できなくなります。サイズの大きすぎる靴でも同様です。このような状態は歩きづらいことは感覚的にもわかりやすい事例だと思います。
 しかし、意外に歩きづらい靴に分類されるのが、当院にも履いてこられる方が多い『ゴム長靴』です。冬期は雪が入りづらいなどの利点があり普段使いしている方もいますが、もともとは、土や水が入りづらく、かつ洗いやすいという作業用に特化したものであり、歩くための機能は重視されていません。そのため、足の甲も踵も固定不十分で靴の中で足が動いてしまい歩きづらくなります。足の固定を強くしようとすると形状の問題上、極端に履きづらくなるため歩く以前の問題となってしまいます。この問題は、ほぼすべての『ゴム長靴』に存在します。歩きづらいということは、力が伝わりづらいということなので、つま先が地面に引っかかりやすく、また、バランスを崩した時に修正が利きにくく転倒するリスクが高まります。ゴム長靴は作業靴なので雪かきなどの限定された作業のみ使用し、外出時には使用しないことを転倒予防の意味でもお勧めします。また、自動車の運転においてもアクセルやブレーキ操作が遅れやすくなります。
 冬期の外出時は、靴底の形状よりも足の動きをしっかりと伝えることのできる靴を選び、その上で気に入った靴底の素材を選ぶようにしてください。靴紐やマジックテープの調整も重要になります。しっかりとした靴選びが凍結路面での転倒リスクを減らすために効果的であると考えられます。少しでも靴選びの参考にしていだだけると幸いです。

 

 

 

MRI検査について (吉田院長 H27.3.5)

 

 19世紀に発明されたレントゲンは医学に革命をもたらしました。以後100年を超えて、CT . MRI等の画像診断の進歩は目覚しい状態です。それぞれの検査法の違いにより扱われる対象疾患はやや異なりますが、やはりCTによる放射線被爆は無視できないと考えます。一方MRIは被爆する事なく、骨・関節・軟部組織を主とする全身の情報が得られ、より安全に患者さん側に診断を提供出来るものと思われます。また、これらの画像を駆使することによって患者さんの負担を減らし、より早く正しい診断をすることが可能となりました。
さらに当院で導入したMRIは開放型であり、主に脳外科で使われている様な、真っ暗闇に入る恐怖感を大幅にとり除くものと考えております。それにより患者さんの検査に対する精神的ストレスが軽減される事も明らかでしょう。
 以上我々は画像診断に関する今後の勉強も怠らず、皆様により早く、正確で、さらにより判り易い診断を提供できます様に努力して参ります。是非安心して御来院ください。

 

 

 

当院MRI検査について(診療放射線技師 田中 H27.4.4)

 

今月のコラムを担当させていただきます放射線科の田中です。

 

<MRI検査とは?>
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)
MRI検査は、強力な磁石でできた筒の中に入り磁気の力と電波を利用して体の臓器や 血管を撮影する装置(検査)です。
様々な病変を発見することができ、優れた描出能により早期発見や診断にMRI検査は有効とされています。
主に
①脳:脳梗塞 脳出血 脳動脈瘤 脳腫瘍
②脊髄:椎間板ヘルニア 脊髄腫瘍 椎体への転移
③四肢:各関節の靭帯 膝の半月板損傷 肩の腱板損傷
④骨盤腔:子宮、卵巣などの婦人科系疾患 前立腺
⑤その他:骨挫傷 骨壊死
などです。

 

<当院のMRI>
GE社製 SignaProfile GXⅡ(0.2T)open型のMRIです。

※(0.2T):0.2テスラ=テスラとは磁力の強さを表す国際単位です。

 

<MRI検査中の注意事項>
・検査時間は検査室に入ってから約20~40分です。(検査部位により異なります)
・検査中はできるだけ動かないようにし、じっとしていて下さい。
・検査中に気分不快などの異常を感じた場合には、ためらわずにブザーを押してお知らせください。
・検査中は工事現場のような色々な音がしますが、ご安心下さい。

 

<次のような方はMRI検査を受けられないことがあります>
※必ずスタッフに申し出て下さい。
・心臓ペースメーカーが留置されている方
・血管へのステント置換術を8週以内に受けられた方
・古い人工心臓弁の手術を受けられている方
・チタン製以外の脳動脈瘤クリップが入っている方
・金属義眼底の方
・骨折によりボルト固定がされたままの方
・躯幹全体に入墨のある方
・妊娠3ヶ月以内、または妊娠が疑わしい方

 

<検査前に>
・化粧品には磁性体が含まれているもの(マスカラ、アイライン、アイブロウ、アイシャドウ等)があり、検査画像に影響があるだけでなく目を傷つけたりすることがありますので出来れば付けずに来院して下さい。(頭部などの検査の場合にお化粧を落としていただくことがあります)
・眼の色を変える目的のカラーコンタクトレンズは金属が使われている場合がありますので、はずして来院していただくか、検査前にはずしていただきます。
・金属(磁性体のもの)を体に身に付けていると画像が乱れて検査に支障をきたすだけでなくMRI装置にその金属が磁力により引っ張られて、飛んだり装置に引っ付いたりしますので大変危険です。また下着で金属のワイヤーが入っているブラジャーやボディースーツ等は着用していただくことはできません。
・下記のものは検査室へ持ち込み厳禁です。
眼鏡/ピアス/イアリング/ネックレス/ヘアピン/腕時計/カギ/入れ歯/携帯電話/スマートフォン/磁気カード/エレキバン/使い捨てカイロ   等

 

<最後に>
松前町は冬期、道路が凍結するため滑りやすく転倒による打撲で来院される患者様が多くいらしゃいます。
特に手首、背骨、膝などです。
来院され骨折の有無を確認するためX線検査(レントゲン検査)をまず行います。
しかしレントゲンでわからない(描出できない)骨折が存在します。
この骨折(骨挫傷、Bone Bruise、椎体の形に変化のない早期の圧迫骨折)は、MRIでなければ描出できません。
他院にてレントゲンを撮って(松前町付近にはMRIがない医院が多いため)「異常ないですよ」と診断された患者様が、なかなか痛みが取れず当院へ来院されMRI検査をすると圧迫骨折が見つかることが多くあります。
この様に当院では、MRI検査にてしっかり痛みの原因をつきとめ、早期の診断により(当院では検査結果を当日にお話しています)治療を適切に開始することができ皆様の 痛みをより早く緩和することが可能です。

 

 

 

送迎バスについて(吉田院長 H27.5.23)

 

今年の桜もピークを過ぎ、穏やかな日々が多くなりました。いつも当院へ通院加療されていらっしゃる皆様の健康を心から祈っています。約8年前ここでの開業を決めた時、まず皆様の通院の不便をどうするのか悩みました。松前は“海の街”独特の町内の距離の長さが有り地形も複雑で、交通手段がきわめて不便な所です。若者も少なく、自家用車を運転出来る方も少ないでしょう。
通院用のバスをこの広域に走らせることを決心したのはこのためでした。素人の送迎バスですから、当初は私も大きな不安をかかえつつスタートさせていただきました。単なる“人さらいバス”ではなく、皆様に少しでも便利に通院していただける足として利用していただけます様努力を重ねて来ました。幸いここまで大きな問題も無く続けて来られたのは、本当に多くの人々の助け有ってこそと感謝の日々を送っています。今後もより安全で快適な病院を続けられる様、“安藤運転士”を中心として職員一同努力と続けて参ります。
ぜひ緑の『よしだ整形外科』のマークのバスを宜しく御願いします。

                   吉田 顕

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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