骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

骨コラム(H26.8~H26.12)

『骨コラム』 再開の挨拶

 

よしだ整形外科を選ばれて通院されている皆様、そして当院の存在を理解していただいている皆様へ
長らくご無沙汰申し上げ深くお詫びいたします。 ここ松前町で皆様を診させていただき早6年が過ぎました。この間、医療を取り巻く環境や、医療の質、また皆様の生活状況にも大きな変化があった事と思います。
さらに我が国は、若者がお年寄りをささえるという本来あるべき社会構造が近い将来完全に消滅してしまうことは明白です。今後を生き抜き、かつ充実した人生を送るには、個々人の“健康寿命”の増進が不可欠です。そのために、足、腰、関節を中心とする運動器のケア(予防が中心となります)が急がれるのです。中でも生活の質の低下に直結する、骨粗鬆症、リウマチ、変形性関節症、各種脊椎疾患、他は特に重点を置くべきと考えます。
是非、皆様一人一人の近未来をしっかりと見据えて、当院を受診していただければ、精一杯の医療をご提供出来る事と存じます。 院長  吉田 顕

 

 

 

骨密度測定について(H26.9.5)

 

骨粗鬆症に伴う腰背部痛、体型の変化(円背)、骨折は、個人の運動能力の低下(精神面も含めて)へと直結します。この状況はさらなる不安、孤独感を増し、閉じこもりなどの社会活動の著しい低下(生き甲斐を失う)方向へ向かっています。さらに近年の研究の進歩により、高血圧、糖尿病、腎臓病等の生活習慣病との密接な関係も解明され、生命予後や医療経済学の上からも重大な悪影響を生じることが解明されています。ところが、一部の医師を除いては未だに関心は薄く、患者さんもその事実を知らされていないのが現状です。
 骨密度測定は骨粗鬆症の診断や治療のモニターとして最も重要な評価項目であり、我が国でも様々な方法で行われています。しかし、私の眼から見て多くは正しい活用にはきわめて不十分と言わざるを得ません。骨粗鬆症の診断、治療の効果を判定するには、二重エネルギーX線吸収測定法(dual-energy X-ray absorptiometry:DXA)が不可欠です。他の方法で“大丈夫”と言われて安心されている方、内服薬を飲みっ放しで安心されている皆様、是非当院のDXA法による『正しい』判定を受けて頂く事をお勧めします。それが十年後の皆様方の健康寿命に結びつきます。

 

 

 

当院の骨密度検査について (H26.10.7)

 

こんにちは、よしだ整形外科にてレントゲン検査、MRI検査を担当させていただいております診療放射線技師の田中健太郎です。
今回は、当院での骨密度検査についてお話しさせていただきたいと思います。

当院での骨密度(骨粗鬆症)検査は、
①胸椎、腰椎の正面像、側面像のレントゲン撮影
②DEXA法による『腰椎(L1~L4)』『股関節頸部』の二か所の骨密度測定になっております。

 

①について
外傷による圧迫骨折、骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折などによる椎体の形態を観察しています。

②について
臨床的に重要な部位(骨折によるQOLの低下が著しい部位)である腰椎、股関節の二か所を測定することが非常に重要です。

 

この二か所は検出感度に優れ、経過観察に適しています。
また、測定精度にも優れています。

日本におけるDEXA装置設置数は約18000台ですが当院の様な躯幹骨用DEXA装置は約2000台であり全装置に対して12%にすぎません。
まだまだ少ないのが実情です。
また、腰椎、股関節頸部の二か所両方を測定している施設はさらに少なくなります。
健康寿命を延ばし健康に生活を送っていただくために、骨粗鬆症の予防、治療はとても重要であり、そのためにはこの二か所の測定は必須です。

また、近年皆様が気にされている被爆についてですが、DEXA検査は0.075msv以下と非常に少ない線量で検査ができます。

自然放射線(12.4msv/年)
胸部エックス線検査(0.06msv/1回)
胃のエックス線検査(4.0msv/1回)
DEXA検査(0.0001~0.075msv/1回)

このようになっており安心して検査を受けていただければと思います。

 

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。今後も皆様の健康に少しでもお役にたてます様努力させていただきたいと思います。

 

 

 

転ばない、折れにくい骨を作りましょう (H26.10.31)

 

町民の皆様に、いつまでも健やかであり続けていただくためには、様々な意味で“自立”される事が最も大切と考えられます。
そのために転倒事故およびしばしば生じる骨折を予防する事が不可欠でしょう。当院の外来に来られる方でも「私はもう“トシ”なんだから骨なんてどうなってもいいんだ!」と悲観的な発言をされる方が実に多くいらっしゃいます。
違うのです!
骨折後に苦しむのは、まず皆様自身であり、さらに周囲の多くの家族を巻き込んで大変な苦労をかける事となります。
また、よく聞くのは「転んだら危ないから外に出ないようにしている」という言葉です。実は高齢者の転倒の多くは“家の中”で発生しているのです。超高齢化社会に突入した今、転倒予防と転倒しても折れにくい丈夫な骨を作る事、すなわち骨粗鬆症の治療の大切さを解っていただければ幸いです。
我々一同は、最新の検査機器、治療法をご提供し、皆様の体の柱である骨格の健康を守るべく一丸となって取り組んでおります。是非、御来院下さい。

 

 

 

転倒予防について(H26.12.1)

 

こんにちは、よしだ整形外科でリハビリ部門を担当している理学療法士の一戸真吾です。今回は、先月の吉田院長コラムの内容をうけて「転倒予防」というテーマですすめていきたいと考えています。
転倒予防は、大きく2つに分類することができます。
Ⅰ.転びにくい「身体づくり」(身体能力向上)
Ⅱ.転びにくい「環境づくり」(周辺環境整備) の二つです。

 

11月の吉田院長コラムで高齢者の転倒の多くは、家の中で発生しているとの内容がありました。そこで今回は、より自宅での転倒予防に効果的である「転びにくい環境づくり」について話していきたいと思います。

環境整備といっても、バリアフリー住宅を新たに建設することは困難ですし、やみくもに自宅全体に手すりを設置しても効果的ではありません。しっかりと個人の問題を具体的にとらえて対応することが必要です。
そのためには、自分の生活の中で「頻回」に移動する経路(生活動線)をしっかりチェックすることが最も重要となります。

生活動線上で見つかった問題点に対しては下記の方法で対応を考えることになります。


①危険な場所を回避する(生活動線の変更)
②危険な場所を改修する(生活動線の改善)
③危険な場所を注意する(生活動線上の注意)
※最も有効な方法は①ですが、現実的に難しい場合は①→②→③と可能な順に対応していくことになります。

 

今回は代表的な例として
「夜にトイレへ行くときに危ない経験をした」という場合を考えてみます。

 

〔生活動線〕
二階の寝室(ふとん)→ 階段 → 廊下 → トイレ

 

〔具体的に危なかったこと〕
・ふとんから起き上がるときにフラついた
・階段でつまずいた
・廊下でつまずいた

 

〔対応方法〕
①生活動線の変更
・寝室を2階から1階へ変更する
・ふとんからベットに変更する
②生活動線の改善
・ふとんの近くに起き上がり用の手すり、又は手をついても動かないような台を設置する。
・階段に手すりを設置する
・廊下に手すりを設置する
・階段、廊下の整理整頓を行う
③生活動線上の注意
・目が覚めてもすぐには起きあがらずに、しっかり目がさめてから動き出す。
・階段を一段ずつゆっくりと降りる。

 

このように整理して考えていくと現実的な対策がみえてきます。

私が患者様に対応していて感じることは、問題を感じていても「今はまだ大丈夫」と思い何の対応もしない方が多いことです。少しの工夫で転倒リスクを減らすことができるので、まずは最初の一歩としてみなさんの「生活動線」を見直すことから始めることをお勧めします。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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