骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

義足について(理学療法士 一戸 R5.9.12)

今月の骨コラムを担当する理学療法士の一戸です。

よろしくおねがいします。

この夏も猛暑、台風、大雨、山火事など様々な自然災害のニュースがあり気持ちが重くなることが多かった気がします。

その中でも自然災害ではありませんが、ウクライナの戦争で戦闘や地雷などで手足を欠損した負傷兵や民間人が数万人に及ぶというニュースが最も気持ちが揺さぶられました。

義足は義肢装具士さんが製作するのですが、その後の義足の歩行訓練は理学療法士が担当します。

私も数例担当したことがあり、特に大腿骨で切断され膝関節がない大腿義足での歩行訓練で難航したことを思い出しました。

そんなことが戦争によって数多く繰り返されていると思うとなんとも言えない感情になってしまいました。

 

義足という分野は、理学療法の中では少し異質な分野で、機械と人間の融合という難しさがあり、義足の機械的な進歩に常についていかないと対応できなくなります。

私が若手だったころには“アシモ”などの“二足歩行ロボット”ブームがあり、急速に進歩していく分野だと感じていました。

二足歩行ロボットが進化していけば、必ず義足にもその技術が応用されて、足首にあたる足継ぎ手は自動でバランス制御できるようになり転倒しなくなり、膝にあたる膝継ぎ手は駆動力のサポート機能がついて義足が軽く動かせるようになり大腿義足でも長距離を気軽に歩けるようになる時代がくると期待していました。

義足の歩行練習はいらなくなり、誰でも装着してすぐに歩ける未来がやってくるとも思っていました。

しかし、現実には二足歩行ロボットに関しては、予想したような進歩はしておらず、義足は進歩こそしていますが、まだまだ様々な問題を抱えていて、すぐに歩けるようにはならず、未だに歩行練習は必須です。

 

二足歩行ロボットに関しては私の予想よりはるかに進歩が遅かったのですが、インタネットを通じての情報技術に関しては想像をはるかに上回るスピードで進化しています。

スマートホンで大容量データを短時間でやりとりできるになったことも驚きですし、人工知能に関しては現在進行形で恐ろしいスピードで進化しています。

小さな話ですが、私の英訳能力をあっという間に追い越していきました。

将棋やチェスも人間を越してからの突き放す速度はえげつないほどです。

これからも予想しえないほどの進歩を物凄いスピードでしていくと思われます。

しかし、この分野でも進歩が遅れていると感じるのはソフトではなく、ハードの分野です。

スマートホンはウェアラブル端末(眼鏡、時計型など)になって人間が身に付ける方向に進化していくとされていましたが、現在は身に付ける方向には進化できずに、逆にスマートホン自体が軽量、小型化とは真逆の大型化しているという逆の方向に進んでいます。

自動車の自動運転技術の進化はものすごいものがありますが、あくまでもソフトの進化であり、実際に動いている自動車の方は未だにゴムのタイヤと路面の摩擦抵抗によって進むという超アナログ的基本は変わりありません。

急速な進歩をしている分野は実体のないデジタル空間の分野のみであり、ハードとして実体のある分野は緩序な進歩にとどまるようです。

どうやら、地球の物理法則(重力など)の影響を受ける実体をもつものは制限が大きく進歩は遅くなるようです。

この分では、私が理学療法士として働ける間には、歩行練習など必要なく、すぐに実用的に歩けるような義足は一般的にはならないようです。

戦争で多数の方が障害をおっている現状では、このような実用的な技術こそが、難しいことはわかっていても本当は急速に進歩してほしいと思ってしまいます。

 

医療DXなどデジタル分野での急速な進歩が求められていますが、情報分野だけが進歩しても効率性や利便性が高まる可能性があるだけで、患者さんが本当に求めている夢のある医療の進歩には簡単に結びつかない気がしています。

テクノロジーの進歩が様々な障害をもっている方の希望となりえる方向で進化してほしいと思っています。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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