骨粗鬆症について
皆様こんにちは。
異常気象にさらされるとも、懸命に生き抜いていらっしゃる事と御察しいたします。
今日は私も覚悟を持って、ここ数年苦しみ抜いてきたテーマを御話ししたいと思います。
先日ある大手製薬会社のMR氏(宣伝販売員)に打ち明けられ、私は衝撃を受けました。
彼は最近自らが骨粗鬆症になってしまい、自らの会社が後発品(ジェネリック)として販売しているビスフォスフォネート(以下BP)製剤を始めました。
ところが、使用開始直後から、背部を中心とした全身の激痛に襲われ、しばらく動けなかったとの事。
(Q)「先生、私にいったい何が起こったのでしょうか?!」
(A)「それは典型的なBP製剤にのみ起こる副作用で、急性期反応(Acute Phase Reaction:APR)です。」
と御伝えしたところ、『全く知らなかった』との返答があり、私は驚かされました。
APRはBP製剤投与のごく初期に、約10~30%に必ず生じるきわめて特異な副作用で、37~38℃台の熱発、全身痛が起こることが多く“インフルエンザ様症状”とも呼ばれ、その発生メカニズムは約20年前から明らかになっているものです。
さらにAPRはBP使用後短時間で突然出現することが多く、多くの患者さんが“あ!この薬の副作用だ”と気付くことが大半です。
私も10年以上前(BP発売初期)は自らが不勉強だったため、何度か患者様に大変な御迷惑をかけてしまいました。
本当に申し訳ございません。
以来私は、この副作用の危険性について各方面へ出かけて講演し続けました。
そして現在、世の中では骨粗鬆症の第一選択薬としてBPは実に広く使用されています。
骨粗鬆症の治療の輪が大きく拡がっていったのは大変素晴らしい事なのですが…
実は我が国では“医療費削減”の嵐が吹き荒れており、BPもジェネリックの使用が強制され続けています。
安全、有効性という品質保証及び安定供給を必須とする多くの薬は、その能力の無い後発品メーカーに丸投げされて、皆様の体内に入っているのです。
これが今回の某MR氏の身に起きてしまった不幸の顛末です。
このように、ほんの1種類の薬にさえこんな問題が生じているのですが、医療すべての安全に強い不信を持ってしまうのは当然でしょう。
そこにさらなる大問題がおきています。
こんなに荒れ果てて魅力の無い医療職に飛び込もうという優秀な若者が急速に減っているようです。
私もごく最近知ったのですが、皆さん“直美”という言葉を御存知ですか?
将来の日本人の健康を守るべき若き医学生は今、あえて夢の少ない、低収入、高リスクの診療科に進むもうとせず、より安定した生活を求めて“美容外科”≒(自由診療)を専攻する傾向が加速していることを意味するそうです。
政府は、日本国民が皆健康である為に必要な医療費が、官僚が机上で“計算”した予算を上回っているから“赤字”であり、一般企業と同じく改善が必要であると理由付けをし、あらゆる分野を切り詰め、医療の質を著しく低下させました。
私は、そもそも予算の立て方にすでにずっと以前から大きな誤りがあったと考えます。
とは言え、こんな医療界になってしまった今、かなわぬ事は承知のうえで、私は夢を見ます。
膨大な研究を積み重ねた結果、やっと開発された優れた薬剤を今一度より安全な形で提供出来るような世界にもどって、皆様の健康が飛躍的に増進される日々を…
ネガティブな発想しか生まれて来ず、本当に申し訳ございません。
これが、70歳を目前とした老医師がもがき苦しんでいる医療界の現状です。
|
|
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。
当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について
<骨粗鬆症の診断>
骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。
<骨粗鬆症検査>
・問診 ・X線撮影 ・骨密度測定:DXA ・骨代謝マーカー ・MRI検査 など |
![]() |
<骨粗鬆症の予防と治療>
骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。
骨粗鬆症検査について
<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。
<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。
・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。
・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。
・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。
<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。
<当院の骨量計測装置> 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。
<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。
<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。