骨粗鬆症について:函館・松前の整形外科病院 - よしだ整形外科

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骨粗鬆症について

予防医学に関して(理学療法士 一戸 R4.10.7)

今月の骨コラムを担当する理学療法士の一戸です。

よろしくお願いいたします。

10月に入りましたが、まだ様々な事柄が皆まさにストレスを与えて日々だと思われます。

私自身も現状では、今年は良い年だとはとても言えないと感じています。

 

医療従事者対象の新型コロナの4回目のワクチン接種を行いました。

今年に入って二回目になりましたが、今回もいつもどおり副反応に悩まされたなかで、なんとも表現しにくい不満感が蓄積されていくのを感じました。

ワクチンの性質上仕方ないことなのですが、効果の実感がないのに、辛い副反応だけ実感してしまうのです。

効果が実感しづらいということは予防医学全般にいえる難しさだと思います。

 

ワクチンなどとは話の大きさは異なりますが、私自身、以前は健康教室(腰痛予防教室、転倒予防教室など)の講師を行っていたことがあり、予防医学の困難さを嫌というほど実感しています。

とにかく手ごたえがないのです。

 

予防医学の難しさは、現状では症状も何もなく、あるかもしれない未来の不幸に対するリスクの軽減にすぎないということにつきると思います。

結局、症状はないので当然効果はわかりにくく、逆にリスクは小さくても発生した場合の無能感は激増してしまいます。

例え発生した人数は少なかったとしても、転倒や腰痛などが起きてしまえば、個人的に

あの健康教室はダメだ、無意味だ、とかいいたくなる気持ちはわかります。

ワクチン接種して感染した場合もやっぱり感情的にはあのワクチンはダメだ、無意味だと言いたくなるでしょう。

 

予防というテーマで講義を行う場合の絶対的な基本パターンがあります。

まず、起こり得る未来の不幸に対しての不安をあおります。

次にその解決方法を提示します。(数値の裏づけがあるほうがベストです)

 

このパターンは運転免許更新時の違反者講習で交通事故を起こすとこれでもかと不幸になり転落していく映像を見せるのもこの手法で最後に交通安全を守りましょうとなります。

健康食品番組でもまずは体調の悪い例をあげて不安感、共感性をあおってから、飲むと解決したという個人例をだします。

数値としては効果と実際は相関関係ないですが、ありそうな満足度やリピート率などを提示して誘導するようにします。

何となく、あくどい手法のような気はしますが、新型コロナワクチンにおいても基本パターンは一緒です。

マスコミが不安感をあおり、解決策としてワクチンを提示します。

初期の頃は発症予防率90%以上という説得力の高い数値があったのでパターンとしては完璧でした。

この時点でパターンが出来上がっていることで、高い接種率になることは十分に予想されていました。

 

しかし、オミクロン株になってからは、感染者数は激増しましたが、肺炎が減少し、人工呼吸器不足やエクモ不足などの死に直結するような恐怖心を増加させる情報がなくなりました。

そして、ワクチン自体も効果の数値が明確に提示することができず、重症化の予防には効果があると思われます。という曖昧な表現になっているため、『予防』という不確定な未来に対する効果を信じさせる力は失われてきていると思われます。

基本パターンが崩れ、効果を信じさせることができない状態で副反応のみが確実に起こり得るとなれば、接種率低下という結果になるのは誰にでもわかることです。

 

このような末期状態になった場合、健康教室でいうと参加者が減ってきた場合には打つ手は一つしかありません。

予防できるという未来を信じさせることのできなくなった講師を変えるほかありません。

新たな魅力的な肩書をもつ講師に変えて、再度期待感を持たせる以外には立て直すことは困難です。

コロナワクチンに関しても新たに明確な効果を期待させるようなものが出る以外には、この世の中のムードを変えるのは難しいのはないでしょうか?

 

最先端の研究を活用してもこのような結果となったしまったことからも医療において『予防』は非常にハードルが高い分野だと今回の件で再確認することになったと思います。

 

吉田院長の「骨コラム」一覧
骨粗しょう症について



骨粗鬆症とは

 骨粗鬆症は、体格の変形や痛みを伴い、さらに体の各部位の骨折を起こすことによってQOL(生活の質)は著しく低下します。このことは、健康寿命(自分の身の回りのことは自分で出来、楽しく暮らせる寿命)を短くする重篤な病気です。当院では最新の診断機器を完備し、最適の治療をめざします。


当院における骨粗鬆症の診断、治療と予防について

<骨粗鬆症の診断>
 骨粗鬆症の診断は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腰が痛い、足が痺れるといった一見主訴とは違うような患者様に対しても60歳を目安に拒否される患者様を除いて骨密度を測定しています。また、X線の撮り方ですが、普通は第3腰椎を中心に腰椎の4方向を撮りますが、それでは第1腰椎を撮影出来ずに圧迫骨折を見逃してしまいます。当院では55歳以上の方には第8胸椎と第3腰椎を中心に全ての撮影し骨粗鬆症を見逃さないようにしています。

<骨粗鬆症検査>

・問診
・X線撮影
・骨密度測定:DXA
・骨代謝マーカー
・MRI検査  など


<骨粗鬆症の予防と治療>
 骨粗鬆症は予防すべき疾患だと考えています。特に自覚症状がない、閉経前後の骨密度が急速に低下する時期が重要と考えており、さらなる骨密度の低下を防ぐ必要があります。「原発性骨粗鬆症の診断基準・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年度版」では運動や食事療法が推奨されてますが、実際されだけでは骨密度は低下し続けます。骨粗鬆症の治療と予防には、ビスフォスフォネート製剤が有効だと考えています。


骨粗鬆症検査について


<X線検査>
骨粗鬆症を起こすことが多い脊椎のX線検査が基本になります。椎体の骨梁や骨陰影濃度で骨量の減少の程度や椎体の骨折の有無を判定します。また、骨が溶けたように見えるがんの転移や高齢者に多い「変形性脊椎症」という骨の病気は骨粗鬆症と症状も似ていることもあり、どちらの病気かを詳しく見ていきます。
ただ、このX線検査では骨量を数値で知ることはできませんので、骨量計測検査を併せて行うことが、必要となります。


<骨量計測装置>
・DXA(デキサ法)
全身の骨量を正確に知る方法にデキサ法があります。性質の違う微量の二種類のX線を出して、全身の骨、あるいは腰椎、大腿骨など任意の部位の骨量を測定します。骨量の測定法では、デキサ法が最も精度が高いと言われています。しかしデキサ法の装置は、大型で費用がかかることなどから限られた医療施設にしか設置されていないのが現状ですが、精密検査には欠かせない装置といえます。

・MD法
簡便なレントゲン撮影法で、アルミ階段の板と一緒に両手の骨を撮影し、X線写真上からコンピューターを使って骨量を計測する方法で、正確さはデキサ法に劣るが、検査は短時間ですむという利点があり、集団検診で骨量が異常に低い人を見つけ出すには、MD法が有用という意見もある。ただし、骨粗鬆症にとって重要な「脊椎」や「大腿骨」など全身の骨量を計測できないのが、欠点である。

・QCT法
CT装置を用いて、脊椎の骨量を測る方法です。この方法は脊椎の骨量を直接測れるという利点があります。しかしデキサ法に比べて放射線を浴びる量が多く、また骨量検診のためだけにCTを使用することには難しい面もある。

・超音波法
踵の骨に超音波を当て、その骨の伝わる速度と減衰率を測って、骨量を求めるという検査法です。腹部超音波に使われるよりも低周波のものを使用するので、一番安全な骨量測定法と言えます。ただし、超音波は骨の構造にも左右されると考えられ、骨量だけを正確に測れているかどうかはまだ解明されていません。治療経過を追うような詳しい診断には今のところ不向きです。



<骨代謝マーカー>
骨にはカルシウム以外にもいろいろな成分が含まれています。骨の代謝により破壊と再生を繰り返しています。古くなった骨を破骨細胞がどんどん溶かして破壊すると、骨芽細胞が破壊された部分に新しい骨を形成して元の形に修復していきます。
骨の破壊と再生を繰り返す過程で、尿や血液にいろいろな成分がでてくるようになります。この出てきた成分の種類と量を調べることによって、骨粗鬆症になる可能性の予測ができるようになりました。この成分を骨代謝マーカーといい、今注目を集めている新検査法です。



<当院の骨量計測装置>
 当院の骨量計測装置はアメリカ、GE社製の「X線骨密度測定装置 PRODIGY」で、測定方式はデキサ(DXA)法です。










<PRODIGYの特徴は>
1きわめて正確に骨量を測定することができます。
2放射線を浴びる量は、通常のエックス線撮影法の1/10程度です。
3全身の骨あるいは腰椎、大腿骨など、任意の領域を自由に測定できます。
4測定時間が1か所であれば1分弱、全身の骨なら5分くらいと、検査時間が短い。
5検査終了後、すぐに結果がでます。

<検査を受ける方へ>
(1)ルーチンで腰椎と大腿骨の二か所の骨量を測定します。
(2)衣類にボタン、金属類があれば正確な測定はできませんので、検査衣に着替えて検査を始めます。
(3)検査台に仰向けに寝ていただきます。何の苦痛もなく3分ほどで検査が終了します。
検査終了後、瞬時に数値化し、骨量が年齢相応の標準値と比較して、どの程度なのか、グラフで示してくれます。


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